浪人してバイトしている時が馬車馬労働の幕開けであった。
スーパーの品出しの際、コンテナに乗っている商品を決まった場所に置くというものだ。
最初見た時、
は?仕事?雑用?奴隷?
は?的な感じやった。
俺の仕事は綺麗なオフィスでカタカタPC打って、
利益を叩き出しつつ、昼休みは社食でハンバーグランチを食べるんや。
それ以外仕事ちゃうわ。あんなもん餓鬼道に落ちた底辺のアホ作業やないか。
なんとも言えない物悲しさがあった。
まだ早朝の薄暗い店内で黙々と商品を並べる仕事。
気が狂うかと思った。
その時に、
先輩「そこの角に和菓子置かなあかんのや。和菓子ぃ和菓子…」
と、闇金ウシジマくんに出てくるような低知能底辺債務者みたいな喋り方をする先輩の、
【和菓子】という言葉に底辺感を強く持ったのであった。
俺は高校で微分積分を解いたり、英語の成績上位になる云々の話をするような身分なんや。
和菓子をどこに置くかということが話題の中心になる仕事なんざしたくないんじゃ。
辞める時も辞める時でそう。
店長「じゃ、キミはなんなの」
俺「浪人生です」
と言った時の店長の顔ったらなかった。
俺はこんなクソ底辺職場にずーっといるような身分じゃないねん。
PCをカタカタやって人を動かす側の立場やねん。
おあいにく様。バイバイ。
てなもんでした。
終わり。