ああ、楽しいなあ。
節約のために、徒歩で寒空の下、仕入れ先に向かっていたけど、心の中はめちゃくちゃ暖かかった。
鼻歌なんか歌っちゃったりしてさ。
「金最高、知識社会最高、貧乏人が成り上がるには?金の力〜♪クソ奴隷底辺が、資本家側に回るには?金の力〜♪社長は俺だ、社長は俺だ、決める判断基準は?俺の都合〜♪」
と、ゲラゲラ笑いながら川沿いの歩道を闊歩していた。
大学入学時にもこんなに楽しくなかった。むしろ絶望だった。
入学式で太ももチラつかせたチアガールがニコニコ笑いいながら入学おめでとうって言っても、全然めでたくなかった。
今こそ、クソ馬車馬労働に甘んじる生活から、甘美なる勝ち組の世界へと邁進するのだ。
今まで、私の周りの人間は私を押さえつけ、鳥篭の中に閉じ込め、自己肯定感を削ぎ落とし、都合の良くこき使って利益をえられる馬車馬奴隷にしようとしてきたり(上司)不幸な子供にしようとしてきたのだ(親)。
彼らは私が馬車馬奴隷の位置にいてもそれがさも当然であるかのように振る舞い。サンドバッグにし、都合が悪くなったらスケープゴートにしてきたのだ。
許してなるものか。
絶っっっっっ対に許してなるものかあああああっっっっ
もう我慢なるものか。お前らの思い通りになんかなるものか。
俺は俺の居心地のいい世界を金の力によって作り上げる。絶対に成し遂げる。
金の力で成り上がることで、この世の全てに復讐してやる。
おしまい。